コミュニティ〈SPEED〉が、11月14日(土)に参加者のみに知らされた川崎のとある工場地帯にてオールナイトでの野外レイヴ〈PURE2000〉を開催した。
出演は、babyiqing、Cemetery、CHAOS、EUREKA、JACKSON kaki、JUBEE (Live)、LIL SOFT TENNIS (Live)、LUXY (Live)、Mari Sakurai、Miru Shinoda、Mt.Chori、Psychoheads (Live)、玉名ラーメン (Live)、Ultrademon、Waater (Live)、yuzuha (Live)、ykah。
本記事では、満天の寒空の下で躍り狂い駆け抜けていった本公演をレポートする。
文・写真:ヨコザワカイト
誰もいない駅に降りる。遠くの方から石油の燃える匂いがする。
気温10℃の寒さを心底の期待値に変え、僕は会場へと向かった。
誰もいない真っ暗な道を歩く。少しすると、若干のネオンの光がコンビナートの隙間から溢れてきた。それは全ての混在を許す光だった。

検温や消毒などをすませ会場の中へ。そこには確かに音楽があった。
=タイムテーブル= 18:00 LUXY 18:30 EUREKA 19:30 yuzuha 20:00 CHAOS 21:00 Psychoheads 21:30 Miru Shinoda 22:30 JUBEE 23:00 Mt.Chori 0:00 Waater 0:30 JACKSON kaki 2:00 LIL SOFT TENNIS 2:30 babyiqing 3:30 tamanaramen 4:00 Ultrademon 5:30 Mari Sakurai 7:00 Cemetery 8:00 ykah |
新しい興奮に飢えた若者たちが続々と集まってくる。この日出演したJUBEE曰く「遊び方をわかってる」客が集まる。
バンド演奏ができるステージとDJブースの2ステージ入れ替え制。ガレージ、シューゲイザー、ハードコアテクノ、トランス、ドラムンベース… BPMで加速するスピードの恍惚。
誰がいてもいいし、僕が誰であっても良い。輪郭は意味をなくして錠剤のように溶けた。
鼓膜と空気振動の微睡として音楽があって人が集まる原初的なステージの形。脳髄の際を刺激する爆音にただ揺れた。
RAVEと言う形で生み落とされた渇望からの爆発とエネルギー。




狂気の夜が点滅する工場を蹴り飛ばしていく。くだらなく落ちていく東京から離れて、それゆえ実現する2020年の弱バーチャル性リアリティ。
新しいミクスチャーの幕開けがpureに実現されたのである。
ギターの歪みにはドラッギーな衝動を、ボーカルの揺らぎには不安定な浮遊感を。
やうやう白くなりゆく工場の煙突。冷え切った手足がまだ跳躍を続ける朝。
僕がちっぽけな僕に気がつく前に、皆がここに気がつく前に、駆け抜ければならない。目にも止まらぬスピードで。
【開催概要】

PURE2000″ by SPEED at SECRET LOCATION (Kawasaki)
日時:2020年11月14日(土) OPEN 18:00
会場:シークレット
https://pure2000.official.ec/
SPEED Instagram:https://www.instagram.com/speedinfo5/